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トライヤル雇用助成金
ハローワークや人材紹介会社の紹介によって、職業経験、技能、知識等の不足により安定的な就職が困難な求職者を雇い入れた場合に支給される助成金です。
短期間(原則3ヶ月)の試用期間を活用して、企業と求職者双方が適性を判断した後に両者の合意のもとで本採用が決まる制度ですので、まずは適正をしっかりと確認したうえで、良い人材がいれば積極的に雇用していきたいという事業所様におすすめです。
⇒ 自社の社風との相性を確認できるので、採用のミスマッチを防ぐことができる
⇒ 本採用の義務がない
といったところがポイントです。
対象となる労働者
- 紹介日の前2年以内に、2回以上離職又は転職を繰り返している者
- 紹介日の前日において離職している期間が1年を超えている者
- 妊娠、出産又は育児を理由として離職した者のうち、その後1年を超えて安定した職業に就いていない者
- 紹介日において、ニートやフリーター等で55歳未満である者
- 生活保護受給者、母子家庭の母、父子家庭の父、などの就職支援に当たって特別の配慮を有する者
※「紹介日」とは、ハローワークが職業紹介をした日
手続きの流れの概要
- ハローワークに「トライアル雇用求人」を提出します
- 対象となる労働者を、有期雇用(原則3ヶ月)で雇用します
※1週間の所定労働時間が原則として通常の労働者と同等の30時間(ケースに応じて20時間)を下回らないこと - ハローワークへトライアル雇用実施計画書と労働条件が確認できる書類(雇用契約書等)の提出(トライアル雇用を開始した日から2週間以内)
- 3ヶ月間の試用期間において適正を判断し、本採用とするかを確認する。本採用となった場合は、トライアル雇用終了後、事業所を管轄するハローワークまたは労働局へ結果報告書兼支給申請書を提出します。
助成金の支給額
対象労働者1人につき、月額40,000円が最大3ヶ月間支給されます。
⇒合計120,000円
対象労働者が母子家庭の母、父子家庭の父である場合は、1人につき、月額50,000円が最大3ヶ月間支給されます。
⇒合計150,000円
※ 当ページに掲載しております助成金の内容や支給要件等は概要となっております。例外や詳しい要件等は割愛しておりますので、詳細は厚生労働省のホームページも合わせてご参考くださいませ。
特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)
ハローワーク等の紹介によって、高年齢者や母子家庭の母等の就職が困難な求職者を雇い入れた場合に支給される助成金です。年齢等を問わず、良い人材がいれば積極的に雇用していきたいという事業所様におすすめです。
対象となる労働者
- 高年齢者(60歳以上満65歳未満の者)
- 身体障害者・知的障害者・精神障害者
- 母子家庭の母等
- 父子家庭の父
等の就職困難者を、ハローワーク等の紹介により、継続して雇用する労働者(雇用保険の一般被保険者)として雇用します。
助成金の支給額
( )内は大企業
対象労働者 |
支給額(※総額) |
助成対象期間 |
|
短時間労働者以外 |
高年齢者(60歳以上65歳未満) |
60万円 |
1年 |
身体・知的障害者(重度障害者等※1を除く) |
120万円 |
2年 |
|
重度障害者等 |
240万円 |
3年 |
|
短時間労働者※2 |
高年齢者(60歳以上65歳未満) |
40万円 |
1年 |
身体・知的障害者(重度障害者等を含む) |
80万円 |
2年 |
6ヶ月の助成対象期間ごとに、2期~6期に分けて支給されます。
(※1)「重度障害者等」とは、重度の身体・知的障害者、45歳以上の身体・知的障害者及び精神障害者をいいます。
(※2)「短時間労働者」とは、一週間の所定労働時間が、20時間以上30時間未満である者をいいます。
※ 当ページに掲載しております助成金の内容や支給要件等は概要となっております。例外や詳しい要件等は割愛しておりますので、詳細は厚生労働省のホームページも合わせてご参考くださいませ。
特定求職者雇用開発助成金(生涯現役コース)
ハローワーク等の紹介によって、65歳以上の求職者を雇い入れた場合に支給される助成金です。
- 1週間の所定労働時間が20時間以上
- 1年以上雇用することが確実
であることが条件となっております。
高年齢者の活躍が期待されている時代です。65歳以上の高年齢者であっても積極的に取り組んでもらえるような職種がある事業所様におすすめです。
対象となる労働者
- 高年齢者(65歳以上の者)
助成金の支給額
( )内は大企業
対象労働者 | 支給額(※総額) | 助成対象期間 |
短時間労働者以外の者 | 70万円(60万円) | 1年(1年) |
短時間労働者※ | 60万円(40万円) | 1年(1年) |
6ヶ月の助成対象期間ごとに、2期に分けて支給されます。
※「短時間労働者」とは、一週間の所定労働時間が、20時間以上30時間未満である者をいいます。
※ 当ページに掲載しております助成金の内容や支給要件等は概要となっております。例外や詳しい要件等は割愛しておりますので、詳細は厚生労働省のホームページも合わせてご参考くださいませ。
キャリアアップ助成金
キャリアアップ助成金は、有期契約社員やパート等の非正規雇用の労働者を正社員に登用したり、処遇改善を実施した事業主に支給される助成金です。キャリアアップ助成金には7つのコースがあり、コースごとに取り組む内容や金額が異なっています。
- 正社員化コース
- 賃金規定改定コース
- 賃金規定等共通化コース
- 諸手当制度等共通化コース
- 選択的適用拡大導入時処遇改善コース
- 短時間労働者労働時間延長コース
特に、正社員化コース、賃金規定改定コース、諸手当制度共通化コース、短時間労働者労働時間延長コースの4コースは要件に当てはまりやすいケースが多く、おすすめの助成金です。
<キャリアアップ計画と助成金申請の流れ>
キャリアアップ助成金を利用していただくためには、まず、「キャリアアップ計画書」を作成していただかなければなりません。
「キャリアアップ計画書」は、今後、いつまでに社内のどの対象者へどのような取り組みを行うか、という計画をまとめていただくものになります。各コースの実施日までに所轄労働局長に「キャリアアップ計画書」を提出し、受給資格の認定を受けていただく必要がありますので、時間に余裕をもって進めましょう。
「キャリアアップ計画書」に記載いただく主な内容は、
⇒ キャリアアップ管理者を決める
(従業員のキャリアアップに関する取り組みの責任者、といった役割です。人事部長や事務担当の責任者など、中小企業であれば代表取締役、個人事業主本人がなるケースも多いです)
⇒ 計画期間 (3年~5年以内の計画期間を設定します)
⇒ 対象者、目標、目標を達成するために講じる措置、キャリアアップ計画全体の流れ
など、各コースごとに具体的に記載していきます。
なお、計画はあくまで計画ですので、途中で内容の変更をしていただくことも可能です。また、取り組み内容を記載したものの、結局、当てはまる対象者がいなかったといった場合でも特にペナルティはありませんのでご安心下さい。
「キャリアアップ計画書」を労働局に提出した後は、各コースの内容に応じて、就業規則を改定し、正社員転換を行ったり賃金アップを行ったりと、実際の取り組みへと進んでいきます。支給申請については取り組みの実施後、6ヶ月の継続雇用・賃金の支払いが必要になりますので、すぐに申請ができるわけではありません。
コースにもよりますが、正社員化コースであれば雇入れ日から最短でも申請までに1年の期間を要することになります。更にそこから審査が開始されますので、大阪労働局など都市部の事業所様であれば、審査から支給決定まで3ヶ月~6ヶ月ほどお待ちいただく場合もあるようです。取り組みの実施日や、申請期限についてしっかりと把握しておくことが大切ですね。
当事務所では助成金の申請代行そのものだけでなく、このようなスケジュール管理もしっかりと行っておりますので、お客様の方で煩わしい管理に悩まされることはありません。
それでは、各コースの内容を具体的にみていきましょう。
<正社員化コース>
契約期間の定めのある有期契約労働者、パートタイマーやアルバイト等の短時間労働者など、いわゆる非正規雇用の労働者を正社員へ転換した場合に支給される助成金です。
正社員への転換の他、有期契約労働者を契約期間の定めのない無期雇用へ転換した場合も対象になります。
企業においては、少子高齢化による労働人口の減少に伴い、人手不足が問題となっております。新規での採用活動には当然、多くのコストが発生いたします。また、仮に採用がうまくいったとしても、本当に真面目に勤務してくれる人物かどうか、その保証はありません。
よって、採用コストの補助という側面だけでなく、既に労働者の人となりについても熟知しており、即戦力として雇用している契約社員やパートタイマーなどの非正規労働者を正社員として活用していただくことは、事業主にとってもメリットのある制度といえるのです。
主な支給要件
- 有期契約労働者等を正規雇用労働者または無期雇用労働者に転換する制度を就業規則等に規定していること
- 6ヶ月以上雇用している有期契約労働者を、正社員(または無期雇用)へ転換すること
※無期雇用のパートタイマーなどを正社員へ転換する場合も対象になります
※6ヶ月以上継続して同一の業務に従事している派遣労働者を直接雇用する場合も対象になります - 転換後6ヶ月以上継続して雇用し、当該労働者に対して転換後に6ヶ月分の賃金を支給すること
- 転換前と転換後の賃金を比較して、転換後の賃金が転換前の賃金から3%以上増額していること
※基本給及び定額で支給される諸手当を含む賃金の総額
ただし、定額で支給される諸手当を含める場合は、その諸手当の支給要件や計算方法などを就業規則等に記載してあることが前提ですので要注意です。また、歩合給などの金額が変更する手当や賞与(令和3年4月1日より)も含めることはできません。原則として、「基本給を3%以上アップする」とお考えいただくのが分かりやすいと思います。
- 転換日前から6ヶ月間前の日~1年間の間に、解雇等の会社都合退職者を出していないこと
その他、細かい要件や例外などがございますので、詳細は厚生労働省の「キャリアアップ助成金のご案内」のパンフレットもご参考下さい。
助成金の支給額
コースの内容 | 金額( )内は大企業/< >内は生産性の向上が認められる場合 |
① 有期→正社員 | 1人あたり57万円<72万円> (42.75万円<54万円>) |
② 有期→無期 | 1人あたり28.5万円<36万円> (21.375万円<27万円>) |
③ 無期→正社員 | 1人あたり28.5万円<36万円> (21.375万円<27万円>) |
ただし、①~③合わせて1年度1事業所あたり20人まで。
- 正社員コースにおいて「多様な正社員(勤務地限定正社員、職務限定正社員および短時間正社員)」へ転換した場合には正規雇用労働者へ転換したものとみなします。
なお、転換に合わせて様々な加算措置も充実しています。
内容 |
加算額 |
母子家庭の母等を転換した場合の加算 |
① 1人あたり、+95,000円<120,000円> |
派遣労働者を派遣先で正規雇用労働者または多様な正社員として直接雇用した場合 |
①③ 1人あたり、+285,000円<360,000円> |
勤務地・職務限定正社員制度を新たに規定した場合の加算 |
1事業所あたり、+95,000円(120,000万円)(71,250円<90,000円>) |
<賃金規定等改定コース>
契約期間の定めのある有期契約労働者、パートタイマーやアルバイト等の短時間労働者など、いわゆる非正規雇用の労働者の基本給の賃金規定等を2%以上増額改定し、昇給させた場合に支給される助成金です。
「同一労働同一賃金」や最低賃金引き上げへの対応など、非正規労働者に適切に賃金を支払っていただくために、是非こちらのコースを活用して下さい。
中小企業でも「パートタイム・有期雇用労働法」が2021年4月から適用となり、「同一労働同一賃金」の実現のための取組みが必要になっております。
「同一労働同一賃金」とは「同じ仕事をしていれば、同じ賃金を支払うべき」という賃金の支払い方のルール、つまり、同一企業内において、非正規労働者と通常の労働者(無期雇用・フルタイムのいわゆる正社員)との間で、賃金や福利厚生等の待遇に不合理な差をつけることを禁止するものです。
同じ仕事をしていても、「パートだから」という理由だけで賃金が不当に低くなっている現状はございませんか。
また、毎年引き上げられる最低賃金の影響により、賃上げ対応の原資にお悩みの企業も多いのではないでしょうか。賃金を2%以上増額改定した場合の助成金の支給額は対象労働者の人数によって異なりますが、一人当たり30,000円前後になります。
25円×100時間×12ヶ月=30,000円
が、1年間で必要な賃上げの原資ですので、助成金を活用すればほとんど企業負担なく非正規労働者の待遇を改善していただくことが可能です。なお、支給対象の人数上限は100人までとなっておりますので、非正規労働者を多く抱える業種の中小企業でも活用しがいのある助成金になっております。
主な支給要件
- 非正規労働者の賃金規定等を作成して、その規定に基づいて2%以上の賃上げを実施する
※「すべて」の対象労働者の賃金を2%以上アップしている必要があります(ただし、助成金の支給率は下がりますが、雇用形態や職種別などの一部の対象者に設定することは可能です) - 増額改定後の賃金規定等をその後も運用していること
※助成金の対象者は増額改定前3ヶ月、増額改定後6ヶ月の間継続して雇用されている非正規労働者であることが必要です。 - 職務評価を実施し、その結果を踏まえて賃金規定等を増額改定した場合の加算を利用する場合は、賃金の増額改定前に職務評価を実施すること
その他、細かい要件や例外などがございますので、詳細は厚生労働省の「キャリアアップ助成金のご案内」のパンフレットもご参考下さい。
助成金の支給額
対象労働者数 |
すべての有期雇用労働者等の賃金規定等を2%以上増額改定した場合 |
1人~3人 |
1事業所当たり 95,000円 <12万円>( 71,250円<90,000円>) |
4人~6人 |
1事業所当たり 19万円 <24万円>(14万2,500円 <18万円>) |
7人~10人 |
1事業所当たり28万5,000円 <36万円>( 19万円 <24万円>) |
11人~100人 |
1人当たり 28,500円<36,000円>( 19,000円<24,000円>) |
対象労働者数 |
一部の賃金規定等を2%以上増額改定した場合 |
1人~3人 |
1事業所当たり 47,500円<60,000円>(33,250円<42,000円>) |
4人~6人 |
1事業所当たり 95,000円 <12万円>(71,250円<90,000円>) |
7人~10人 |
1事業所当たり14万2,500円 <18万円>(95,000円 <12万円>) |
11人~100人 |
1人当たり 14,250円<18,000円>( 9,500円<12,000円>) |
<1年度1事業所当たり100人まで、申請回数は1年度1回のみ>
※ 中小企業において3%以上5%未満増額改定した場合に助成額を加算
・すべての賃金規定等改定:1人当たり14,250円<18,000円> ・一部の賃金規定等改定:1人当たり 7,600円 <9,600円>
※ 中小企業において5%以上増額改定した場合に助成額を加算
・すべての賃金規定等改定:1人当たり23,750円<30,000円> ・一部の賃金規定等改定:1人当たり12,350円<15,600円>
※ 職務評価の手法の活用により賃金規定等を増額改定した場合
1事業所当たり19万円<24万円>(14万2,500円<18万円>)を加算 <1事業所当たり1回のみ>
<諸手当制度共通化コース>
契約期間の定めのある有期契約労働者、パートタイマーやアルバイト等の短時間労働者など、いわゆる非正規雇用の労働者に対して正社員と同じ諸手当に関する制度を導入し、適用した場合、または、「法定外の健康診断制度」を新たに設け、延べ4人以上実施した場合に支給される助成金です。
「同一労働同一賃金」の原則が2020年(中小企業は2021年)から適用され、有期契約労働者やパートタイム労働者のいわゆる非正規労働者と正社員との間における賃金や福利厚生等の待遇不合理な待遇が禁止されることになりました。
基本給だけではなく、各種の手当や健康診断といった福利厚生についても不必要な格差をなくすことによって、非正規労働者の労働意欲やモチベーションの維持に繋げていくことができます。
非正規労働者であっても手当や福利厚生が充実しているという内容を採用活動においても戦略的にアピールすることができますので、人手不足の解消や有能な人材の確保、従業員の定着という面でも積極的に取り組んでいただきたい内容となっております。
助成金の対象となる諸手当等の種類は以下の5つ。
- 賞与
- 家族手当
- 住宅手当
- 退職金
- 健康診断制度
主な支給要件
- 非正規労働者に関して、正規雇用労働者と共通の諸手当制度を新たに設け、その内容を就業規則に規定する
- 共通化した規定内容に基づき、対象労働者に諸手当等を支給する(健康診断を実施する)
※(1)賞与については、6か月分相当として50,000円以上支給した事業主
※(2)家族手当(3)住宅手当については、1か月分相当として1つの手当につき3,000円以上支給した事業主
※(4)退職金については、1か月分相当として3,000円以上積立てした事業主。
※(5)健康診断については、労働協約または就業規則の定めるところにより、その雇用する有期雇用労働者等のうち、 事業主に実施が義務付けられていない有期雇用労働者等に雇入時健康診断もしくは定期健康診断を実施する制度またはその雇用する有期雇用労働者等に人間ドックを実施する制度を新たに設け、延べ4人以上にたいして実施することが必要です。なお、対象者は定期健康診断等の受診日の前日から起算して、3か月以上前の日から受診後6か月以上の期間継続して雇用されていることが必要です。
- 共通化した諸手当制度をその後も運用していること
その他、細かい要件や例外などがございますので、詳細は厚生労働省の「キャリアアップ助成金のご案内」のパンフレットもご参考下さい。
助成金の支給額
1事業所当たり38万円<48万円>(28万5,000円<36万円>)
<1事業所当たり1回のみ>
※加算(1)
共通化した対象労働者(2人目以降)について、助成額が加算されます。(加算の対象となる手当は、対象労働者が最も多い手当1つとなります。)
・対象労働者1人当たり15,000円<18,000円>(12,000円<14,000円>)
<上限20人まで>
※有期雇用労働者等を対象とする「法定外の健康診断制度」を新たに規定し、延べ4人以上実施した場合は除きます。
※加算(2)
同時に共通化した諸手当(2つ目以降)について、助成額が加算されます。 (原則、同時に支給等した諸手当について、加算の対象となります。)
・諸手当の数1つ当たり16万円<19万2,000円>(12万円<14万4,000円>)
<上限4手当まで>
<短時間労働者労働時間延長コース>
短時間労働者の週所定労働時間を延長するとともに、処遇の改善を図り、新たに社会保険の被保険者とする取り組みを行うと支給される助成金です。
短時間勤務のパートタイム従業員で「子育てが落ち着いたので勤務時間を延長しても問題ない」というようなケースなど、既存の従業員がライフステージに応じて柔軟に働けるような仕組みを設けたいという企業にお勧めです。人員を増やそうか迷っている、というような場合にもまずは勤務時間の延長を希望する短時間労働者に声を掛けてみるという工夫が良いかもしれません。
主な支給要件
- 短時間労働者の週の所定労働時間を延長し、新たに社会保険に加入してもらう。
※週所定労働時間を延長した日の前日から起算して過去6か月間、社会保険の適用要件を満たしていなかった者であって、かつ支給対象事業主の事業所において過去2年以内に社会保険に加入していなかった者である必要があります。
- 週所定労働時間を5時間以上延長すること、または、週所定労働時間を1時間以上5時間未満延長するとともに基本給の増額を行うこと。
※延長時間が5時間未満の場合は下記のいずれかに該当する労働者である必要があります。
- 週所定労働時間を5時間以上延長した日の前日から起算して過去6か月以上の期間継続して、有期雇用労働者等として雇用された者。
- 週所定労働時間を1時間以上2時間未満延長した日の前日から起算して過去6か月以上の期間継続して、有期雇用労働者等として雇用された者であり、かつ週所定労働時間の延長後の基本給が延長前の基本給に比べて13%以上昇給している者。
- 週所定労働時間を2時間以上3時間未満延長した日の前日から起算して過去6か月以上の期間継続して、有期雇用労働者等として雇用された者であり、かつ週所定労働時間の延長後の基本給が延長前の基本給に比べて8%以上昇給している者。
- 週所定労働時間を3時間以上4時間未満延長した日の前日から起算して過去6か月以上の期間継続して、有期雇用労働者等として雇用された者であり、かつ週所定労働時間の延長後の基本給が延長前の基本給に比べて3%以上昇給している者。
- 週所定労働時間を4時間以上5時間未満延長した日の前日から起算して過去6か月以上の期間継続して、有期雇用労働者等として雇用された者であり、かつ週所定労働時間の延長後の基本給が延長前の基本給に比べて2%以上昇給している者。
- 所定労働時間の延長後、6ヶ月分の賃金を支給すること
その他、細かい要件や例外などがございますので、詳細は厚生労働省の「キャリアアップ助成金のご案内」のパンフレットもご参考下さい。
助成金の支給額
内容 | 短時間労働者の週所定労働時間を5時間以上延長し新たに社会保険に適用した場合 金額( )内は大企業/< >内は生産性の向上が認められる場合 |
1人当たり | 22万5,000円<28万4,000円>(16万9,000円<21万3,000円>) |
内容 | 労働者の手取り収入が減少しないように週所定労働時間を延長するとともに基本給 を昇給し、新たに社会保険に適用させた場合 金額( )内は大企業/< >内は生産性の向上が認められる場合 |
一人当たり | 1時間以上2時間未満:45,000円 <57,000円>( 34,000円 <43,000円>) 2時間以上3時間未満:90,000円<11万4,000円>( 68,000円 <86,000円>) 3時間以上4時間未満:13万5,000円 <17万円>(10万1,000円<12万8,000円>) 4時間以上5時間未満:18万円<22万7,000円>(13万5,000円 <17万円>) <①と②合わせて、1年度1事業所当たり支給申請上限人数45人まで> (注) 令和4年9月30日までの間、上限人数を緩和しています。 |
両立支援等助成金
両立支援等助成金とは?
「両立支援等助成金」は、職業生活と家庭生活の両立や女性の活躍推進に取り組む事業主に対して助成する制度です。優秀な人材を確保・定着させるために、以下のようなケースに是非ご活用下さい。
- 出産予定の従業員がいる
- 出産予定の従業員が育児休業を取得するので代替要員の募集を考えている
- 有給の子の看護休暇制度や保育サービス費用補助制度を設けて、育児休業から復帰しやすい職場環境を作っていきたい
- 男性も育児休業を取得しやすい職場風土を作っていきたい、子どもが生まれる予定の男性従業員がいる
- 家族の介護に直面している従業員がいる
<出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)>
男性従業員が育児休業を取得しやすい職場風土作りのための取組みを行い、男性従業員に一定の育児休業、又は育児目的休暇を取得させた会社が利用できます。
取り組んでいただく内容(概要)
- 男性従業員が育児休業を取得しやすい取組み(男性従業員向けのリーフレット作成など)を行う
- その後、男性従業員が出生後8週間以内に開始する育児休業を取得する
育児休業は、連続5日(大企業は連続14日)以上の取得で助成金の対象となります
⇒ 1歳までしっかりと育児休業を取得してもらうという場合だけではなく、妻と育児休業を交代で取得したい、産後1ケ月だけでも家族の時間を大切にしたい、妻の里帰り期間中は育児休業を取得し、第1子の世話を自分が担当する予定だ、など、比較的短期間の取得ニーズにもマッチする助成金ですので取り組みやすい内容になっております。
- 小学校に入学するまでの子(出生前6週間含む)について男女とも取得できる休暇制度(育児目的休暇)を新しく導入し、子の出生前6週間から出生後8週間以内に育児目的休暇を取得する
育児目的休暇は、合計5日(大企業は8日)以上の取得で助成金の対象となります
助成金の支給額
★育児休業
育休取得者1人目 57万円(72万円)
育休取得者2人目以降 取得日数により
14.25万円(18万円)~33.25万円(42万円)
★育児目的休暇の導入・利用
28.5万円(36万円)
※( )内は、生産性要件を満たした場合。
※育児休業は1年度につき、1企業10 人まで支給、育児目的休暇は1企業1回までの支給。
<育児休業等支援コース>
「育児復帰支援プラン」を作成し、プランに沿って労働者に育児休業を取得、職場復帰させた中小企業事業主に支給される助成金です。計画的に業務の引継ぎを行い、対象者が安心して育児休業を取得できるよう支援を行っていきます。また、育児休業者の代替要員の確保、職場復帰支援を行っていただいた場合にも助成金の支給があります。
取り組んでいただく内容(概要)
1. 育休取得時・職場復帰時
・就業規則等に育休復帰支援プランによる支援を規定し周知する
・対象者と面談を行い、面談後にその育休復帰支援プランを作成
・業務の引継ぎ等を実施し、産後休業も含め連続3か月以上の育児休業を取得してもらう
・育児休業中に職場の情報提供を行う
・職場復帰前に面談を行い、復職後の働き方について調整
※現職復帰が原則となります
・対象者の復帰後、6か月以上継続雇用する
2. 代替要員確保時
・育児休業終了後、労働者を原職等に復帰させる旨を就業規則等に規定
・3ケ月以上の育児休業を取得する対象者に対して、会社が休業期間中の代替要員を新たに確保する
・対象者の復帰後、雇用保険被保険者として6か月以上継続雇用する
3. 職場復帰後支援
・育児休業から復帰後、仕事と育児の両立が特に困難な時期にある労働者のため、以下の制度導入などの支援に取り組み、対象者に利用してもらう
(1)有給の子の看護休暇を10時間以上取得
(2)対象者1人につき3万円以上の保育サービス費用補助を行う
・取組み内容を就業規則等に規定する
その他、細かい要件や例外などがございますので、詳細は厚生労働省のHPやパンフレットもご参考下さい。
助成金の支給額
育休取得時 28.5万円(36万円)
職場復帰時 28.5万円(36万円)
※( )内は、生産性要件を満たした場合
※1企業2人まで支給(無期雇用者1人、有期契約労働者1人)
代替要員確保時
支給対象労働者1人当たり 47.5万円(60万円)
支給対象労働者が有期契約労働者の場合
9.5万円(12万円)加算
〈支給対象期間〉5年間 〈支給人数〉1年度当たり10人まで
※( )内は、生産性要件を満たした場合
職場復帰後支援
制度導入時 28.5万円〈36万円〉 ※1企業1回限り支給
制度利用時
① 子の看護休暇制度 (※2) 1,000円〈1,200円〉× 休暇取得時間
②保育サービス費用補助制度 (※3)会社が負担した費用の2/3の額
※①②それぞれ1回限り支給
<介護離職防止支援コース>
仕事と介護の両立支援の環境整備や制度整備、介護支援プランの作成を行い、介護休業の取得・職場復帰または働きながら介護を行うための勤務制限制度の利用を円滑にするための取組を行った場合に支給される助成金です。
取り組んでいただく内容(概要)
- 介護休業取得時・職場復帰時
・対象者と面談を行い、面談後にその介護支援プランを作成
・業務の引継ぎ等を実施し、同一の対象家族について合計5日以上の介護休業を取得する
・介護休業終了後、フォロー面談を実施
・対象者の現職復帰後、3ヶ月以上継続雇用する - 介護両立支援制度
・対象者の制度利用開始日までに面談の上、介護支援プランを作成する
・「所定外労働の制限制度」「法を上回る介護休暇制度」「介護サービス費用補助制度」等を就業規則等に規定し、同一の対象家族について合計20日以上制度を利用する
※複数の制度の利用があっても、利用実績を合算することはできません
・対象者が制度を利用した期間終了後から申請日までの間、対象者を雇用する
助成金の支給額
休業取得時 28.5万円(36万円)
職場復帰時 28.5万円(36万円)
介護両立支援制度(合計20日以上利用した時)
28.5万円(36万円)
※( )内は、生産性要件を満たした場合
※それぞれ1企業当たり1年度5人までの支給。
その他、細かい要件や例外などがございますので、詳細は厚生労働省のHPやパンフレットもご参考下さい。